映画秒速5センチメートル感想

誕生日に観てきました。

原作アニメ映画も劇場で観た人間ですが

公開当初からこれはヒットしそうだなあと

予想するくらいディティールにこだわってると思っていました。

実際観ると、当時の再限度はやばいくらい深くあまねく

小田急線のホームで、当時の自分がモブでいるんじゃないかと思うくらいでした笑

シーンで言うと種子島パートが

三宅島でもう会えない人たちと過ごした日々を思い出したり

主人公貴樹(たかき)のSEシーンは

氷河期世代の20代のバイト先だったIT企業を思い出したり

今見る映画のはずが記憶がガンガン掘り起こされて

頭痛がするかもしれないような映画体験でした。


でも本当に繊細なやさしさをたたえた作品で

春の初めのちょっとした暖かさが伝わるような、

泣くに泣けなかった当時の自分が

2008年(作中の時代です)のあと

ああいう決断したから2025年にこういう生活をしているんだなと

ほっとしているのもあります。

映画的フィクションに安易に逃げるのでなく

映画だから当時のことを落とし込んで

なおかつ原作アニメへの貢作を目指して

作られて、結果秀作となったと思います。


そして、エンディングの1991

何も言えない自分を呼び留めるように

次の時代への扉を指し示すような歌詞でした。

素敵な映画でした。

鯨と窓

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